各種英語資格試験
日本では英検をはじめ、TOEIC(トイック)、IELTS(アイエルツ)、TOEFL(トフル)等様々な英語の資格試験があります。英検はTOEICと並んで日本では最も有名な試験で、毎年250万人前後が受験する最大規模の検定試験となります。英検の出題範囲は学校のカリキュラムに沿って作られているので、その検定試験の級によって、自分がどのレベルの英語力があるのかを判断するのに適しているとされています。英検5級で中学1年終了程度とされ、高校入試で3級以上、大学入試や海外留学で2級以上、就職や転職では準1級以上を取得しているのが望ましいとされています。
TOEICは年間受験者数は220万人程度ということでやはり大規模ですが、学生よりもビジネスマンが受験する割合が多いとされています。就職の際にもTOEIC何点以上、といった募集要件があったりしますので、企業人若しくは就職を控えた学生が受験して高得点を目指すことが多い試験となります。この就職時等に提出するTOEICのスコアはリーディング(読む)とリスニング(聞く)の2技能のスコアなので、TOEICが高得点でも必ずしも英語が話せるわけではない、と言われてしまうところがあります。
IELTSとTOEFLは、非英語圏の国々の人達が、英語を母国語とする海外の大学へ留学したり就職したりするときに判断基準とされるスコアであり、読む・聞く・書く・話すといずれの試験も4技能の合計点でスコアが出されます。ですので留学などで必要なスコアは、TOEICで求められることはほとんどといっていいほどありません。海外の大学への留学で重要となるのは、IELTS若しくはTOEFLのスコアとなります。
このように目的や試験の内容・性質の違う検定試験同士、なかなかスコアを比較するのは難しいですが、大まかに比較される表がありますので、参考までに御覧ください。
英検 | TOEIC | IELTS | TOEFL iBT |
ー | ー | 8.5~9.0 | 111~120 |
ー | 880~990 | 7.5~8.5 | 100~110 |
1級 | 800~879 | 6.5~7.5 | 90~99 |
準1級 | 730~799 | 6.5 | 79~89 |
準1級 | 665~729 | 6.0 | 71~78 |
準1級 | 590~664 | 6.0 | 61~70 |
2級 | 490~589 | 5.5 | 51~60 |
2級 | 410~489 | 5.0 | 41~50 |
3級 | 299~409 | 4.0~5.0 | 31~40 |
3級 | 0~289 | 1.0~4.0 | 0~30 |
IELTSとは
IELTS:International English Language Testing System
IELTSは、世界をリードする英語教育、言語研究機関であるIDP:IELTS Australia、Cambridge Assessment English、British Councilの3団体が共同開発したテストです。IELTSを認定している機関は世界中に11,000以上あり、IELTSは教育や移住のための英語能力判定試験として30年に渡ってグローバルに認知されています。
IELTSは読む、書く、聞く、話すの4技能をテストしますが、2つの試験タイプがあります。
① IELTS Academic モジュール:大学・大学院への進学や専門職への登録を目指す人用
② IELTS General Training モジュール:中等教育への進学や英語圏への就職・移住希望者用
モナッシュ大学など世界の英語圏の大学進学の際は、①のAcademicモジュールのスコアが基準となります。IELTSのスコア構成はすこしややこしいのですが、下記ご覧ください。
IELTSはペーパーでもコンピューターでも受けることができる試験です。
Readingでは、60分以内に900~1,000文字もの文章を3つ読まなくてはならないのでなかなかハードです。問題数も多いので、時間配分に失敗すると後半手つかずということにもなりかねません。なので対策として、「まずは問題文から読む」などの工夫が必要です。
IELTSを受験すると、9.0を最高点として0.5刻みで4技能(読み、書き、話す、聞く)のスコアがそれぞれ付与されます。このスコアの事をバンドスコアと呼びます。↓バンドスコア
Reading | Listening | Speaking | Writing |
9.0 | 9.0 | 9.0 | 9.0 |
8.5 | 8.5 | 8.5 | 8.5 |
8.0 | 8.0 | 8.0 | 8.0 |
7.5 | 7.5 | 7.5 | 7.5 |
7.0 | 7.0 | 7.0 | 7.0 |
6.5 | 6.5 | 6.5 | 6.5 |
6.0 | 6.0 | 6.0 | 6.0 |
5.5 | 5.5 | 5.5 | 5.5 |
5.0 | 5.0 | 5.0 | 5.0 |
4.5 | 4.5 | 4.5 | 4.5 |
4.0 | 4.0 | 4.0 | 4.0 |
3.5 | 3.5 | 3.5 | 3.5 |
3.0 | 3.0 | 3.0 | 3.0 |
この4つのバンドスコアを合計して、4で割り平均値を算出して、その平均値によって総合点であるオーバーオール(Overall)の得点が計算されます。その際、スコアは0.25刻みで「切り下げ」られたり「切り上げ」られたりします。↓総合点(オーバーオール)の算出表。
4技能のスコアの平均点 | 総合点(オーバーオール) |
8.75~9.0 | ➡ 9.0 |
8.25~8.74 | ➡ 8.5 |
7.75~8.24 | ➡ 8.0 |
7.25~7.74 | ➡ 7.5 |
6.75~7.24 | ➡ 7.0 |
6.25~6.74 | ➡ 6.5 |
5.75~6.24 | ➡ 6.0 |
5.25~5.74 | ➡ 5.5 |
4.75~5.24 | ➡ 5.0 |
4.25~4.74 | ➡ 4.5 |
3.75~4.24 | ➡ 4.0 |
3.25~3.74 | ➡ 3.5 |
2.75~3.24 | ➡ 3.0 |
TOEFLとは
TOEFL:Test of English as a Foreign Language
アメリカ合衆国のNPOである教育試験サービスが主催している外国語としての英語のテストで、非英語圏の出身者のみを対象としており、英語圏の高等教育機関(大学や高等専門学校)が入学希望者の外国語としての英語力を判定する際に用いるものです。
結果は、0から120点のスコアとして判定される(満点は120点)。現在のテスト形式は、2005年より開始されたiBT(Internet-Based Testing,TOEFL iBT)というComputer Based Testingです。
Reading:700から800語ほどの学術文章が提示され、それらは多くの専門単語を含むアカデミックなものばかりであり、時事問題や物語文、対話文は扱われません。
Listening:大学講義・大学キャンパスを舞台とした内容となっており、学術的、および実際英語圏の大学で使われる語彙力が必要です。
Speaking:全部で4問。単純な質疑応答1問と、文章や会話の総合的な理解力を伴う問題が3問である。質問に対する解答をマイクに吹き込む。発音、ボキャブラリー、文法、スピード、質問内容との一致性などが評価されます。
Writing:全2問。Integrated-essayが20分、Independent-essayが30分。解答はタイピングによる入力する。
❶ Integrated-essay:学術的な200~300語程度の文章を3分で読んだ後、教授による講義を聞く。文章と講義の内容を互いにくらべ要約するといった内容。
❷ Independent-essay:簡単な内容の質問に対して、自分の意見や経験などから文章を書くというシンプルな問題。有効解答字数は300ワード以上で、4段落(序論・意見1・意見2・結論)構成が理想形とされます。