マレーシアとバドミントン

 マレーシアでは、バドミントンはマレー系・中華系・インド系などの民族の垣根を越えて愛されているスポーツと言われています。バドミントンは、その昔、東インド会社の役員達がインドからマレーシアに持ち込んだと言われています。バドミントンは、発祥がイギリスとされていますので、イギリス植民地時代とも相まってマレーシア全土に広まったものと思われます。初めにペナン島に持ち込まれ、そこから全土に広がったようです。

部活のバドミントン

 マレーシアは、インドネシアと同様バドミントンは国技といわれています。ただ、日本で国技とされている相撲ですが、どれだけ一般的に人気があるのかと考えると国技=人気スポーツとは言い難いのかな、とも思いますがそこはマレーシア、期待を裏切らないバドミントン人気でした。
 まず、部活における一番人気はやはりバドミントンで、4月の後半に3学期生として入学した息子はバドミントン部に当然入るべく申請をしたのですが、「もう一杯ではいれません、他の競技に変更してください」と言われてしまいました。息子はそれは無理、絶対無理!と今にも蒙古覇極道をくらわせる勢いでこちらにプレッシャーをかけるので、担当のジョベル氏に、「息子は異国の地で英語もそれほどできない中、唯一バドミントンを頼りに来ているのです、なんとかなりませんか(涙)」と泣きつくと、OKグーグルとばかりに、バドミントン部に入部させてもらった。さすが我らがジョベルさんである。一応副校長の了承も得てくれて、副校長にも感謝しておいた。
 このようにバドミントン部は入部するにも抽選になるくらいの人気スポーツで、サッカーと人気を二分しているといわれています。
 他にバドミントンがやはり国技といわれるくらい人気なのだなとわかるエピソードとしては、グラブ(Grab)の運転手さんのバドミントンをやっている割合が高いことでした。息子の付き添いでホテルに滞在中に10回くらいグラブを利用したのですが、なんと10人中9人のグラブの運転手が現役でバドミントンをやってました。乗るグラブ、乗るグラブで、「あ・な・た・は・バドミントン・を・プ・レ・イしますか?」と神父さんのように、繰り返し聞いていたのですが、皆、「あったりめえよ」とか「やってるよ、もちろん、シングルはもう無理だけどさ、この腹じゃ、かっ、かっ、か~」とか、「週に1回だけどね」と日本ではありえないくらいバドミントンが浸透していました。さらに、その後もバドミントン談義に花を咲かせているうちに目的地についたり、なつかしい選手の名前がでてきたり(ヤンヤン、朴ジュポン、ウィラナタ、シデク兄弟に、最近では渡辺勇大選手やリンダンも!!リンダンは息子と半分追っかけなくらい日本での試合を見てきた大好きな選手)、最近の強い選手のうわさ話がでたりと、ありえん!さすがマレーシア!と感動して帰って来たのを覚えています。
 ちなみにキングスレーでは、バドミントンの部活では、若くて強い外部コーチが来るようになって、いままでのおじいちゃんコーチはいなくなってしまったといっていました。今後どのような指導があるのかはわかりませんが、息子にはバドミントンを愛する国でバドミントンをエンジョイしてもらいたいものです。