留学の魅力とは

留学の魅力

 留学の魅力、留学のメリット、留学によって得られるもの、、、言い方は様々あれど、ここではそれらについて思いつくものを、息子の留学経験と照らしながら、また世間一般で言われていることなどを書き出してみて、改めて留学の魅力を探ってみたい。
 一般的に、今の現状を変えたい、打破したいという時には、「環境を変える」「人間関係を変える」「習慣を変える」とよい、などと言われることがありますが、留学にはそれら全てを一気に変える力があります。生活環境は外国の寮もしくはホームステイ先が主体となり基本親元から離れて生活する。まわりには世界中から集まって来た、多様な価値観を有した言葉も通じない様々な人達。そしてたとえばマレーシアの学校では朝ごはんと昼ごはんが日本でいう給食にあたり、食堂でみんなで決まった時間にご飯をたべるという今までとは違った習慣。家では起きがけに朝食もとらず学校にいくこともあった息子も、朝食の給食という習慣であれば、毎日しっかり起きて食事をとっていることだろう。朝食をみんなで給食でとるってのも、なんかいい。
 多民族や多宗教にみられる価値観の相違、異文化間コミュニケ―ションの難しさ、食文化の違い、カルチャー・ショック、これらは一見すると留学におけるマイナス要素にも見える。でもこれらは決してマイナス要素ではない。それを知ることがやはり、国際社会で生きる人との距離感だったり、国際感覚を身に付けることにつながるのだろう。さらにちょっと大げさにいえば自分の日本人としてのアイデンティティを育むということもあるかもしれない。魅力」や「メリット」などというと、良いことばかりが自分の経験として降りかかってくると思いがちだが、そういったショックや違いを体験することも良い経験ということになる。百聞は一見にしかず、とはいうが、百聞は一経験にしかずであろう。息子はいま良くいわれる「多様性」というものを正に体で感じる毎日である。
 それら全てを含めて、留学の魅力ということで留学生活を送れると良いのではないかと思う。

留学で得られるもの

衣食住の変化によって。

 留学というと大抵は一人で外国に行くことになる。親子留学の場合はさておき、高校生くらいまではいわゆる寮やホームステイであることが多いだろう。大学生ともなると寮からでて一人暮らしの場合も多いかもしれない。いずれにせよ、高校生位の子供が親元を離れて生活をするということには、どのような意味や変化をもたらすのだろうか。
 息子の寮生活の場合、週に2回は洗濯を頼めるのだが、下着だけは洗ってくれないらしい。そのため自分でバケツで洗って干さねばならず、それが日課らしい。入学して間もなく一緒にイオンでそのためのバケツと洗剤を買ったものだった。また、寮の食事は朝・昼・晩と3食でるとはいえ、現地風の味付けが多い為、時に辛すぎて腹を下すこともあるという。宗教上の理由から豚肉も牛肉もでない。イスラム教は豚を、ヒンズー教は牛を食べることを禁止しているからだ。主なたんぱく源は鶏肉主体のようだ。その鶏肉料理も骨付きが多く、肉にありつくには、当たり外れがあるという。おかげで息子はいま、「日本の料理が世界一美味しい」といつでも何度でも心から叫ぶことができるようになった。母親の料理がいかに美味しかったか、身に染みてわかったらしく、長期休みに日本に戻った際も、「母ちゃんの料理、神」を心の底から連呼している。
 結局、衣食住の変化によって不便が重なって、食事やなんやと日本の日常の有難みに気づいたといったところだろうか。外にでてみて、中のことが見えるというが、国外に出てみて、日本の良さが色々わかってきたようだ。だからどうなの?といわれるとそれまでですが、衣食住の変化によって、「親に対する感謝という概念」がどうやら芽生えたようである。

語学習得に良い環境がある。

 留学といえば真っ先に思い浮かぶのは、語学習得(留学先の母国語或いは第二外国語である英語やフランス語、スペイン語等)だろう。
 なにしろ、インター校ではこれまで日本語で受けていた授業の科目全てが英語で行われている。第二選択外国語として中国語の授業もあるが、中国語の初歩でまず中国語の単語を覚えるらしいのだが、中国語の単語の横にその本来の意味の答えとして当然日本語ではなく、英単語で書いてある。最初は中国語がわからず、その解答である英単語もわからず、辞書を引くということになるらしい。理科でも数学でも、たとえそれがその教科の基本的な単語であっても、それは英検レベルでいうとなかなかの単語を時に覚えてきていたりする。理科でいえば、花の構造の単語だったり、数学で10から30の間のprime number(素数)を答えよ等それはそれは英語漬けの日々になる。
 語学は、本気になれば日本でも学べる、今は情報があふれているから独学でもできる、日本にも諸外国の方々が住んでいるので、その人たちと友達になれば学べる、、、という意見もある。それはそれで一理ある。が、まぁそれができれば苦労はしない。海外に留学させなくても語学の成果を出せるタイプの子供であればそれはそれに越したことはないのかもしれない。ただ留学には語学以外にもプラス面があるので、それを忘れてはいけない。一般的には日本に居たらなかなか身につかない、あるいはそもそも勉強(受験)に身が入らないタイプの子供たちも沢山いると思う。そういうタイプの子供たちにとって、環境(現状)というものを一気にかえる力があるのが留学ではないかと思う。留学は、一瞬で英語を使わざるを得ない環境にしてしまう。そこには語学習得にとても良い環境が広がっている。
 
 大金を払って留学したものの、日本人とつるみがちでさほどの英語力も身に付かなかったという話はよく聞くことでもある。実際に行く前と行く後でどれほど上達したのか、統計データでもあれば別だが、その実はよくわからない。たとえそうだったとしても、それはもう自己責任の世界の話だから、それはもったいなかったねというしかない。我が家でもしそうなれば、あとは次の進路まで足りない部分を短期集中塾などにいかせたりして補うしかないなとは思う。例えば、モナッシュ大学のマレーシア分校に進学しようとすれば、IELTSは最低でも5.5必要だ。卒業時点でそこまでたどりついていなければ、そこまであげる努力を継続させてあげたいところだ。それまで経験したことの蓄積は大きいし、次の大きなステップである海外大学に進学することはまたメリットが大きいからだ。
 我が家のことはさておいたとして、留学で語学習得に失敗してもそれはそれで全然よいと思う。他に体験した様々なことは貴重な財産であろう。また早めにそれを経験することによって、次回の留学を有意義なものにできるかもしれない。人間は失敗から学ぶことが多いので、早い時期に失敗を経験することは決して悪いことではない。また、自分は語学は苦手だけどどうもITが得意かもしれない、など良い意味で選択肢を狭めることもできるかもしれない。チャレンジしなければみえなかったことも見えてくるし、チャレンジすることによってさらに次の世界が広がっていくかもしれない。
 いずれにしても、コミュニケーション手段が英語に限定されるような環境に身を置くことは、語学習得にはもってこいの環境であることは間違いないだろう。

日本の仲間、外国の仲間との出会い。

 

こころ強き日本人の同級生の仲間たち

 外国の寮で出会う日本人の同級生とは、また格別の思いがあるのではないだろうかと思う。自分は経験していないので何ともいえないが、外国で不安な中、言葉が通じて、なんとなく共有している価値観やバックグラウンドが同じようなものである、という人と出会えるのは大きいと思う。
 この子たちはまた、イギリスへ行く者、アメリカを視野にいれている者、マレーシアにある大学を目指す者、マレーシアにあるイギリスやオーストラリアの分校を目指す者、とさらにまた世界中に羽ばたいていく。同級生でそういった仲間ができて、また世界中に飛び散ったあとも互いに情報共有できたらよいなと思う今日この頃である。
 
 また、まさに留学でしか出会えない各国のさまざまな人種の同級生、先生たちとの出会いもある。写真は入学初年度のインド系の担任の先生。とても優しい担任だったという。

担任と友人と
フィリピンから来たという友人

大学進学、就職先の広がり。

 高校からマレーシアのインター校に入れてみて、色々調べているうちに、これはなかなかに良い選択だったかもしれないと思えてきたのは、その先の海外の大学進学、あるいはその先の就職先の広がりが見えてきたことだった。
 インター校をでれば、本人の努力にもよるだろうが、海外の大学が進学受け入れの基準として必要なIELTSやTOEICのスコアを基準近くの成績にもっていくことが可能性として高くなる。さらにマレーシアのインター高校卒業後の進路を調べているうちに、モナッシュ大学のマレーシア分校というものに出くわした。はっきりいって、モナッシュ大学という名前を知ったのはこの時が初めてであったが、オーストラリアの大学の分校??と当初は意味がよくわからなかった。だが調べれば調べるほど、このモナッシュ大学のマレーシア分校が魅力的だなと思えるようになっていった。
 
 このモナッシュ大学マレーシア分校には、世界中からの多くの留学生が集まっているらしく、自分は国連に入るんだとか、NGOで働くんだといった意識高い系の生徒も多いらしい。国連やNGOを視野にいれた進路となると、日本の大学からはなかなかルートとして見えてこない?ような気もするのだが、そういった進路が見えるという学校、学部がすぐそこにあるのは大きい。そう考えると企業でいえば、アマゾンやGoogleなどといった企業への就職を視野にいれている経営学部の生徒たちもきっと多いことだろう。ここに日本人3人の大学生の女の子たちのモナッシュでの日常などが、わかりやすいYoutubeがあるので、よかったら見てください。

 【マレーシア留学】PART1 英語関連 PART2 マレーシア生活について

 【マレーシア留学】PART3 モナッシュ大学について