マレーシアの国民性

マレーシアの国民性ですが、いままで息子の話を聞いていると、基本的にみんな優しいというのが印象です。私も数日滞在中にホテルマンと話したり、Grabの運転手と話したり、学校関係者と接してきた感想としては、みんな温厚で明るい感じがしました。
 そもそもマレーシアには他民族、多宗教が存在するので、これがマレーシアの国民性だと簡単には表現できないのが正直なところかもしれません。
 
 マレーシアには、全人口約3,000万人に対して、マレー人と呼ばれるマレー系が約70%、中華系いわゆるチャイニーズマレーシアンと呼ばれる人たちが約20%、インド系が5%、残りの約5%がその他の人種が占めているといわれています。バドミントンで言えば、リー・チョンウェイはチャイニーズマレーシアンだろうし、シデク兄弟はマレー系であろうと思われます。
 
 マレー人は、宗教的にはイスラム教信者なので、基本お酒も飲まないし豚肉も食べない。とはいえ、イスラム教の戒律としては、比較的にゆるい分類らしく、女性でもヒジャブというスカーフを巻いてないこともあるらしく、日本人が持つイスラム教徒というイメージとはやや違うように見えるかもしれなません。実際、現地ではスカーフを巻いている女性は沢山いた。仕事などに関してはのんびりしていることが多い?らしく、南国の特徴かなとも思う(実際は人によると思うが)。
 
 中華系マレー人は、何世代にもマレーシアに住んでいる人も多く、現地に完全に溶け込んでいる。一般的な中国人とはやはり違い、どちらかというとマナーや礼節など日本人的だなと感じることが多かった。息子のインター校では、寮の管理人はチャイニーズマレーシアンが多いし、私の大学のバドミントンサークルの時の後輩の友達のカスーンも中華系だった。カスーンはレストランを何店舗か経営していて、息子とカスーンのお店で食事をとったのだが、お会計はいいよ、といわれたし、仕事中にもかかわらず車で我々親子をペトロナスまで運んでくれるなど優しかった。いわゆる華僑と呼ばれる人たちは、東南アジアのほどんどの国で経済の中枢にはいりこんでおり、マレーシアでも例外ではないらしい。これに対して政府は、ブミプトラ政策というマレー人を優遇する政策を施して、その差をうめようと試みた。そのため、カスーンが「われわれチャイニーズ系は、不動産を買うのでもマレー人より30%増しくらいで買わなければならないんだよ」とぼやいていた。彼ら中華系は、マレー語、中国語(マレーシア国内で使われる中国語はマンダリンと呼ばれるらしい。楽器みたいだ。)、英語が話せることが一般的である。これから益々発展していくであろう中国語と万国共通語である英語というその2つの言語を留学もせずにつかいこなせることを考えると、今後さらに飛躍的にマレーシアという国は伸びていく気がしてならない。事実日本は経済的停滞など魅力のなさから、マレーシア人の留学先として選ばれなくなってきており、近年は中国や欧米系の大学への留学が多いという。日本はすでに抜かれてしまっているのかもしれない。。

 インド系は、中華系とは逆で現地になじんでいくというよりは、我が道をかえぬまま歩んでいるようだ。うわさではタクシーなどではぼったくりも多く、インド系ドライバーはトラブルが多いらしい。(あくまで噂ではある)Grabは乗る前に金額が決まっていてそれを払えばよいので、ぼったくられることはないと言われているので、現地ではタクシーよりもグラブを使うことをお勧めします。

 何系の人はこうだ、とはどの人種、どの民族でもいいきることは困難だと思われます。結局どんな民族、どんな宗教を崇拝していようと、人によってそれぞれ個性が違うので。。。

 ただ、マレーシアはイスラム系、中華系、インド系、などの人種がそこかしこでまじりあっているので、たとえば会社で、この時期は旧正月で中華系は休みをとりま~す、となれば他の人種の人々が抜けた穴をささえるし、この時期はマレー系はラマダンだから早く帰りま~す、となればまた違う人種がその抜けた穴をささえるということをずっとやってきている国なのです。ですので、他民族多人種多宗教が存在するにもかかわらず、お互いにそれらを尊重しあって、ささえあって生きているジョンレノンのイマジンの世界を地で行く国民なのです。

 ですので、マレーシアの人たちは、どの民族の人たちであっても、相手に対して自分とは違うものだけど尊重すべきもの、という距離感などに非常にたけているので、きっと外国の人間にも温かいのかもしれません。